北方領土考

ロシアは最近「北方領土は戦争の結果得た領土」と主張し、「領土の割譲禁止」を憲法に書き込もうとさえする動きをしています。嘗てはそのような言い方まではしていませんでしたが、領土に対する基本認識は変わってはいないものと思います。それはこの国では(大陸のどの国でも)領土は戦って獲るもの、国の独立も戦って得るものが常識だからです。ロシアはその建国以来コサックという暴れ者団体が、東方や南方へと戦いを進め領土を切り取って皇帝に献上することでその存在を認められるようになったといわれ、それが朝鮮半島まで及んで来ようとした危機感から、日本本土への脅威を懸念して戦ったのが「日露戦争」で当時の国力では無謀な戦いでした。この戦いは日本の国力をかけた力と、ロシア国内の革命の動きが相まってアメリカの仲裁を得て勝利しましたが、ロシアからソ連、再びロシアと国名が変わってもその根本精神は変わっていないことが先の主張からわかると思います。第二次大戦の最後に連合国側の日本本土決戦を前に多大な犠牲を嫌った米英がロシアに密約で領土を保証して参戦させ、どさくさ紛れに大きな犠牲もなく漁夫の利を得させたもので、正式の条約での調印もなく、不法占拠という私たちの言い分は正しいのですが前述のように戦って獲ることを正しいとするロシアはその言い方を嫌うのです。世界でも稀有な話し合いで決めた国境である北方領土こそ世界平和の象徴とすべきものです。国境を択捉島と得撫島の間に戻すなら、日本とロシアは永遠に友好関係を結んでいけ、双方に多大な利益をもたらすことを伝え続けることが大事と思います。