みそか

 早いもので、もう今日で今年も5ヶ月が過ぎます。今日は5月「晦日」です。この集大成が12月31日の大晦日となるものです。今月は一体何を出来たろうと思います。木々は着実に季節の中で芽を膨らまし、もうじき一斉に芽吹いてきます。早く伸びたい「柳」や、「どろのき」は早く葉を広げ、霜を用心して暖かくなってからでなければ葉を出さない「ニレ」や「ならの木」とは好対照を見せます。人間社会でもそうなのでしょうが、あまりにも早く結論を出そうとすると、その根本を見失うことがあります。良く見極める必要がありますね。

蒔き付け終盤

 畑に種を蒔くことを、「蒔き付け」と言います。春の遅い根室地方でも、漸く終盤になってきました。季候の良くないこの地方でも、昔は畑作が行われていましたが、度重なる冷害と、収量の少なさのため、「有畜農業」「畑酪兼業」「酪農専業」と変わって来て、今では殆どの農家が酪農専業となっています。しかし、武佐岳の麓を中心に、畑作を続けている農家もあり、そこでは馬鈴薯やビートの作付けをしています。最近では、これだけではやっていけないことから、大根や、ブロッコリーと言った野菜の大規模栽培もはじめています。ビートはもう苗の植え付けが終わり、馬鈴薯ももう終盤になり、また酪農家の所ではデントコーンの巻き付けももう終盤となっています。今年も夏の気候に恵まれて豊穣の秋が訪れるよう祈るばかりです。農業は、こうして天候に左右されながら、自然の中で営まれるものなのです。工業製品とは違うその土地からしか得られないものだと言うこと、そうやって人の食料を生産しているものだと言うことを思って欲しいものです。

他国を惹き付ける条件

 ある本を読んでいると、江戸時代「俵物3品」と言う物があって、干しナマコ・干しアワビ・フカヒレが中華料理の高級食材として、中国貿易に欠かせない重要な輸出品であった。それはどんなにお金を出しても欲しい物で、今日本や、北方領土から密漁によってまで買い込んでいる「干しナマコ」や、中国経済の隆盛を支える海外からの投資などが、中国にとって「心を惹き付けられる物」になっているというものです。こうした中国国民垂涎の物を適切に調達できることは、対中関係における「安定」だけでなく、「優位」をも担保できるかも知れないと言うことです。
 実際日本は、エネルギー資源や鉱物資源などが欲しくて、それを供給できるオーストラリアに優位に立たれて、農産物の関税撤廃を迫られようとしています。日本はと言えば、優秀な技術力で生産した自動車ですが、これがなければ国民が困るという物でもなく、交渉で優位に立つことは出来ません。
 今国際政治における「優位」と「劣勢」を分けるのは、「他国を惹き付ける条件」をどれだけ持っているかだということです。ロシアや、オーストラリア、そして常に過去を持ちだして厳しく当たってくる中国に対しては、何がそれに当たるのでしょう。何もないと言っていないで、そのような物を作ったり、探したりしなければと思いませんか。過去の文化をも含めて見直してみませんか?

領土返還への願い

 午前中は、札幌で北方領土の元島民の組織である「千島歯舞諸島居住者連盟」の総会があり、顧問として出席。事業報告や、決算などの審議までいました。
もう、元島民の皆さんも、平均年齢が74歳となり、61年間も実現しない領土返還運動に、苛立ちと諦めがない交ぜになっている様子が感じられました。返還運動は、決して元島民の人達だけのものでなく、国家の基盤の確保の問題だと言うことを、改めて若い人達も含めて認識してもらうことと、国を挙げて声を出さなければ、ロシアには届かないと言うことを思います。
あの沖縄返還闘争をやって返還を実現させた団塊の世代の意気込みはどこに行ったのでしょう。それを引き継ぐべき若者の無関心は何故なのか、恵まれた世代には領土などどうでも良いのでしょうか。いくらボーダレスの時代と言っても、資源や、経済的主権は厳として主張され、手も足も出ないのが現状です。資源が欲しいのではなく、正義が行われるべきと思いますが、通らない理屈なのでしょうか。
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結婚式が続いています

朝9時からは羅臼町消防団の春期総合訓練大会があり、出席。どの町もそうですが、生業の傍ら訓練を積んだ団員が、日頃の訓練の成果を競いました。羅臼町は海岸に沿って長い市街地が続いているため、人口の割に分団数が多く、6分団となっていることと、財政や、距離の関係から消防署の人員も少なく、団員に頼る割合が高いのが特徴です。まず火災や災害の無いことが第1で、そのための対策が重要となっています。
その後、別海町のポニー輓馬競技会に出向き、小さな馬が250キロものそりを引いてたくましく進む姿に感激。
午後からは昨日に続いて友人の子供の結婚祝賀会に出席。今月は土日の殆どで祝賀会があり、この町の若者の多さが偲ばれます。今後地域の重要な推進力になることでしょう。
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森林組合

 中標津森林組合の総会が開かれ、出席して挨拶をさせて頂きました。私も組合員ですが、かつては林業や、木工場など幅広く事業を行っていたこの組合も、時代の変遷の中で植林や、管理の斡旋など限定した事業を行うにすぎない組合になっています。
 京都議定書以来、二酸化炭素の吸収源としての森林の役割がクローズアップされており、木を植えることや、森作りへのみんなの関心が強まってきてはいますが、自然豊かな北海道でさえ木を植えるための補助予算が少なく、切ったあとに植えるために優先順位を付けたり、随分待ったりという状態です。特にここ何年かは、台風や爆弾低気圧の襲来で大量の風倒木がでて、それを皆伐し、植えるために予算が振り向けられ、一般の伐採あとの植樹予算が確保できていないのが現状です。北海道独自では、いくら予算をひねっても十分確保できないことははっきりしているので、二酸化炭素を排出するだけの東京都のような所から、木を植えるための財源拠出を受けられないものかと思います。例えば「東京の森」などと名前を付けて

羅臼ビジターセンター

 世界自然遺産・知床国立公園の入り口に、新しいビジターセンターが完成し、開館式が開かれました。これまでのセンターは、かなり老朽化して、手狭になったことで新しく整備されたものです。館内は知床に住む動物や鳥の剥製の他、写真やパネル、知床をこよなく愛した方の映像など盛りだくさんの展示で、知床世界遺産が一目で分かるようになっています。今後、観光の一助となるほか、羅臼を訪れる人達に、自然の大切さを訴える基地となることが期待されています。
 日本一寒い地域の根室管内ですが、今日本列島最後の桜が満開です。南で咲いてから、およそ2ヶ月半経って、漸く終着です。これ程、この地の自然条件は悪いのです。まして、国道244号線の羅臼峠は今日も「路面凍結」のため通行止めになるような厳しい気候の中におかれているものです。峠は連休中にも開かず、その後もこうして通ることが出来ないことは、羅臼町の観光関連産業に多大な被害を与えているようなものです。
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新築された羅臼ビジターセンター       日本一遅い?桜

遺伝子組み換え作物

 先日、遺伝子組み換え作物栽培について政府機関の今後の検討方向のニュースを目にしました。それによるとバイオ燃料向けの作物や、花卉などの新品種創出などで、試験栽培を広めるというものでした。遺伝子組み換え作物はすでに世界各国で飼料用や、機能性作物などが多くの面積で栽培されている反面、その遺伝子の自然界や、人間に与える影響を心配する声も大きく、「カルタヘナ法」や、北海道における「遺伝子組み換え作物の栽培に関する条例」などで厳しく栽培が規制されているものでもあります。
 今、化石燃料資源が世界的な需要増による値上がりをしていることや、地球温暖化防止の目的で、バイオ燃料の生産が一気に増大しています。各国が国家プロジェクトとして取り組んでいますが、飼料や、食料の分野への影響も懸念されています。
 そんな中で出てきた考えが、遺伝子組み換えによる収量や、アルコールなどバイオ燃料生産を増大させる機能を持った作物の生産です。単なる品種改良では出来得ないことや、その速度を飛躍的に速められる事が出来ることから、今後この動きは加速されることでしょう。
 先に書いた懸念をどう払拭しながら試験・栽培していくかそれが駄目だとするなら生活をどうしていくかもう一度しっかり考えなければならない問題です。

北方領土返還運動

 とにかく歩いていると汗の出るような陽気でした。今日は、「北方領土返還期成同盟」の総会があって札幌にいました。先週臨時議会が終わって中標津に帰ったときに比べると、すっかり緑が濃くなり、赤煉瓦前の満開だった八重桜が色あせてきて、風と共に桜吹雪を見せてくれています。
北方同盟の総会は、全道から50名ほどの代議員が集まってのものですが、淡々と議事をこなしていて、返還に対する熱意は、とうに消えているかのようです。多分最初は返還実現の意欲に満ちていたのでしょうが、もう50年もの間そのための活動を続ける中に、事業をこなすだけが精一杯の雰囲気になってきています。この団体は、元島民と言うよりは、農・漁業・市町村などの団体が構成していることもあって、いっこうに返ってくる兆しのない北方領土の返還に対して熱意が失せているように見えました。北海道議会議員は殆どの方が、一般会員なのですが、議員の出席はわずかに9人で、私もその疑問点に手を挙げて発言する勇気もなく、来賓の如く皆さんに紹介されて、ただ座っていただけでした。各地の行事に合わせて集められる署名も、ここ2年は90万件を割り込んだままですし、国も道も財政再建の名の下に予算を削減し続けていることが、国民の中での北方領土返還に対する関心の度合いを示しているようにも思えます。このままでは、北方領土は返ってきません。
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商工会

 午前中は久し振りにトラクターに乗って、育成牛舎周辺の片付けをしました。春になると色々なものが目について仕方がないもので、少しはきれいになったかなと思います。午後からは、別海町商工会の平成19年通常総代会に招かれ、出席して御祝いを述べさせて頂きました。どこの商工会も同じようなものですが、大規模店の進出により商店は非常に厳しい経営を余儀なくされています。また、建設業なども公共事業の減少で同様の状態です。そんな中、別海町商工会では、小規模事業所の新しい道を開こうと、全国商工会連合会の補助を得て、地域特産品の新商品・既存商品の改良品を開発し、販路を開拓する事業に取り組んでいました。とかく原料の良さのため、加工品になることの少ない農水産物を加工して出荷することが、地域の雇用確保と経済発展に欠かせないものです。タンポポ資金なども活用しながら実現できればと、期待します。
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