パイロットフォレスト50年

 戦後、度重なる山火事で焼け野原になっていた、厚岸町のベカンベウシ湿原の上流の、1万700ヘクタールを、森林に再生しようと昭和31年、農業のパイロットファームに倣って、パイロットフォレストと名付けて、大々的に植林を始めて今年が50周年と言うことで、今日記念式典と育樹祭が開かれました。始めて、パイロットフォレストに行きましたが、かつては原野だったというところが、豊かなカラ松林になっていました。50年経って、そろそろカラ松が伐期に入ってきているので、後継樹として、エゾマツや、とど松をその間に植えて、複相林として育てていました。今日は、その植えたとど松が、密稙してあったために、強弱が出来ていて、伸びの悪い木を間引く作業の一部を約250名の参加者全員で23の班に分けて行いました。こうして、荒れ地を森に作り替えようという作業は、その後、20年くらい続きましたが、整備するところがなくなってきたことと、国内の木材価格が輸入材に押されて安くて、手入れする費用も出なくなったため下火になってしまっています。今では植えられる面積は、当時の数%になっていて、これから50年後には、木が贅沢品になるほど不足することになると言う予測もあります。今からでも、伐ったところは100%植えていけるようにしておかなければ、後世に憂いを残すことになります。



記念植樹をしました            望楼前で小松道議と

さらなる発展

議員としての、次の目標は、「地域のさらなる発展を目指して」です。これは、首長なら、公約に当たるものですが、議員は執行権がないので、公約をすることが出来ず、目標とするものです。地域の様々なことについて、満遍なく目を配りながら、よりよい地域作りに力を尽くすのが役目と思っています。これまでの地域の発展は、自助努力と、多くの外からの助力によって成し遂げられてきました。本当に苦しい時期に、助けてくれた政治家がいて、日本の経済成長の余力を運んでくれましたが、時代は大きく変わって、人口減少、超高齢化、多額の負債償還のための財政支出抑制などから、これまで以上に地域社会の自立が求められる時代となってきます。
 地域社会の自立とは、「政策的自立」「財政的自立」で、今の一極集中的なものから、地方分権における権限と財源の移譲があって初めて成り立つものです。その入り口が、北海道が進めようとしている「道州制」による地方分権ですが、その前提は、補助金でしか成り立たないものの多い産業政策の決定権とその財源移譲にあると思っています。その財源は、当然北海道での税収では足りなく、全国的に集中した税の再配分も含まれなければなりません。その上で、経済的・文化的自立をしていくことを、560万道民が一丸となって成し遂げていかなければ、何時までも本州に寄りかかった北海道と言われてしまいます。経済的・文化的な自立をするためには、地域の活力が維持できていることで、嘆いていては決して出来ません。わたしたちは、自立に必要な、医療・産業・情報・教育・文化・国際交流などをどう充実、発展させていくか、長期的な視点で今をどう変えていくかに、北海道の知恵の全てを注いでいかなければと思っています。(長くなりました)

地域の医療とケア

 昨日の夜、勉強会で北海道総合研究調査会常務理事の、五十嵐智嘉子さんの話を聞きました。北海道の医療費は、全国の中でも一番高く、地域差指数でも1.271とダントツと言っても良いほどです。実績医療費も、全国の2次医療圏での比較では、中空知、後志、西胆振、南空知の他、札幌もベストテンにはいるなど、その高さが際だっています。何故こ之ようになっているのかを、五十嵐さんは、入院医療費と相関の高い病床数の多さにあると分析しています。病気の人が飛び抜けて多いわけではないのですが、開拓史の時代から、政府は道内の各地にその広さに合わせて多くの病院を作りましたが、それが、村立病院になったり、国保病院になったり変わっていても、病院数の減った形跡はないことや、本州では親を入院させるのは恥という意識があるので、出来るだけ自宅療養させようとしますが、北海道は、貧しい時代が長く、漸く食べていけるようになった頃から、ちゃんとした病院に入れることが親孝行との風潮があって、人口あたりの病床数が多い北海道では、社会的入院も多くなっているというものです。今年の医療、介護保険改革では、このような社会的入院を減らし老健施設や、ケアハウス、老人ホームなどに代えていこうとしています。また、人口減少と、高齢化が今後急速に進むことで、都市部、地方ではそれぞれ違った時期に、全く違った新たな問題が出てくると言うことで、そのことをよく考えながら、今後の医療と介護、福祉などを考えておかなければならないと思いました。

一般質問が終わりました

 昨日の空転にもかかわらず、残り10人の質問予告者のうち、2人が予算委員会での質問に切り替え、8人の質問が、5時30分頃までに終わりました。それぞれが地域や、道政に課題を持ち、所属する会派の方針も取り入れながら質問を繰り広げました。今日も、道財政のこと、教育のこと、改めて問題になっている飲酒運転の防止策、エネルギー問題、港湾振興、物作り産業育成、等様々な質問が出ました。どれも今後の北海道を考える重要課題ばかりですが、総じて自民党会派は提案型、民主会派は批判型と、来年の知事選挙を意識したトーンになっています。唯一、民主の新人議員の長尾氏(渡島支庁区の補欠選挙)が地域にとって効果の大きい新幹線の函館までの延伸で、「高橋知事を始めこれまでの関係者の努力に感謝します」と述べたのには、自民党などの会派から大きな拍手がおき、民主党の方々がとまどう場面もありました。良いものは良いとしながら、更にと言うのがよりよい政治を進めるのには必要ではないかと思ったことでした。朝8時からは教育振興議連の朝食研修会、昼休みの時間には、日本会議の集まりがあり、その後、エネルギー議連の会合、議会が終わってから医療と介護に関する勉強会に参加、最後に今回の代表質問作成や、一般質問に当たった政策審議会の打ち上げをし、最後の日本ハムの一位決定で盛り上がって、多忙だった1日が終わりました。

一般質問3日目 空転

遅れていた日誌が、ようやく追いつきました。質問の内容検討などで、余裕のない日々の上、毎日各種の会合が続き、お酒に弱い私は、飲んで帰るとすぐ布団の中でぐっすりという状態で、皆さんには大変失礼を致しました。
 今日は一般質問の3日目ですが、昨日本会議終了後開く予定だった「産炭地域振興・エネルギー問題特別委員会」が、すでに本会議で答弁のあった、「産炭地域総合発展基金」取り崩し問題について解決したとの委員長の思いこみで、委員に連絡もなく中止し、委員長が帰ってしまった(委員長は、民主党)無責任な問題で、その上民主党内でこのことや、5市1町の首長さんと知事が武部幹事長・冬芝公明党幹事長・二階経産大臣らと交わした覚え書きを問題として、延々と協議を続け、本会議が開かれたのは午後4時でした。本当は6人が質問に立つ予定でしたが、共産党の花岡議員と、自民党の蝦名議員の二人が質問できただけでした。それでも終わったのは6時過ぎになりました。明日残った10人をこなせるのか、それとも予算委員会準備のために休会日にしている28日を使うのか解りません。花岡議員は、共産党らしく、国政の分野や、道ではどうにもならない問題を細かく追求していました。蝦名議員は、今日空転の元にもなった産炭地振興基金取り崩しの問題の他、ディーゼル自動車の導入の提案がありました。非常に興味深いものでした。それにしても、このような空転は私が議員になって初めてのことで、ひたすら待機している間にいくつかの宿題を片付けることが出来ました。

一般質問2日目

午前中は、札幌教育研究会での不適切な給与支払いと、返還の経過についての担当部署からの説明と意見交換。悠仁親王殿下誕生を記念しての高野槇植樹の立ち会い。観光議連で航空運賃についてと、札幌駅内での観光物産コーナー改造についての研修の後、午後から一般質問の2日目に入りました。仲間の、中村議員は道州制特区と自立型経済の構築、新しい総合計画、青少年保護条例の改定、アウトドアガイドについて質問。特にアウトドアガイドについては、北海道の資格制度や、運営団体の認定をして知床への導入をしてはどうか、と質問しましたが、すでに地元での活動があるので、導入には調整など難しい問題があると答弁されていました。知床ルールの策定と実施の中で、調整して、世界遺産を守ると言うことではどうかと思いました。
次にフロンティア会派の金岩氏が、季節労働者の、短期特例一時金の見直し検討について、通年雇用について、タンポポ資金についての質問がありました。国は積雪地域の特例として、50日分の失業保険として、短期特例一時金を出してきましたが、他の制度と共に見直し、「通年雇用促進支援事業」を充実していこうとの案を検討しているとのことですが、製造業の弱い地域としては、簡単なことではなく、何とかこれまでのものを守りたいと思っています。このあと、仲間の吉田議員が、地域医療について、高校再編計画について、支庁制度改革案について等、今日は地方の問題を取り上げた質問が続きました。

物産交流

さわやかな晴天の元、中標津商工祭り、うまいもの市が市内中心部の催し物広場で開かれました。各団体が、地元で獲れる農産物・海産物を加工して、みんなで食べて楽しもうという催しで、人気のジャンボハンバーグや、定番のいももち、チーズフォンデューなどの他、地元産そば粉の手打ちそば、道産小麦のパン、いかや、かになど、多彩な出店で来訪者を楽しませていました。この他、車や、林産加工品などもあり、何とか地域の活性化を図ろうというみんなの意気込みが伝わります。「全道3位のお付き合い」と言うことで、美唄市から今年獲れたばかりの米(おぼろづき・ななつぼし)ももって来て販売しました。わずか1時間半で売り切れましたが、試食のものも美味しく、今後牛乳乳製品とのお互いの販売交流を進められるのではと、期待を持ちました。(美唄は、道内3位の米どころ・中標津は同じく3位の牛乳生産量です)午後からは、標津のあきあじ祭りにも行って来ましたが、ここも、大変な人出で、「あきあじ手づかみ大会」なども楽しそうに行われていました。



うまいもの市での美唄市コーナー    標津あきあじ祭り

全道共進会

今年の北海道の乳牛のチャンピオンを選ぶ、全道共進会が、全道から選ばれた約400頭の参加を得て開かれました。生後12ヶ月から、成牛クラスまで、14の部に分けて、体格の良さ、乳牛らしさ、各部のバランス等を比較審査して序列を決めるものです。私の根室管内からも46頭が参加、2部と、6部で、見事チャンピオンになっていました。地元での行事の都合で、午後には丘珠に移動して帰りましたが、出品者始め関係者は一昨日から来て、準備に当たっており、その苦労が、入賞という形で報われればと思います。ここに来た牛達は、これからの北海道の基礎牛の一部になります。



審査風景                    6部でトップの根室管内の牛

一般質問

 今日からは、一般質問に入りましたが、私は、初めてトップで質問することになりました。昨日残っていた打ち合わせをして、議員総会のあと、本会議開会の放送と共に、議場へ、今日は少し緊張して入りました。議長の、議案審議続行の宣言のあと、手を挙げて議長の指名を受け、登壇。「おはよう御座います」の挨拶のあと、原稿を見ながら順次用意した質問をしていきました。経済・雇用対策では、最重点に掲げて施策を行ってきた知事の、17年度の実績を質しました。数字としては計画を達成していますが、経済活性化に伴ったものとはまだなっていないところもあり、雇用そのものや、その形態の安定には、まだ時間がかかるという印象を持ちました。特に臨時雇用の多い若者(フリーターと呼ばれる)に対する対策では、今回新たなものが出てきましたが、将来の社会的負担に悔いとならないようにしていかなければなりません。
 馬文化の振興の中で、農耕馬の保存のために重要な位置にある「ばんば競争」は、「北海道ばんえい競馬組合」が、道営競馬同様、厳しい状態にあり、北海道としては、ミニ場外馬券売り場での販売協力や、地全協を通じての支援などを行っているとのことです。高橋知事に、知事賞を授与しに自ら赴き、(歴代知事もまだ一度も言ったことがないそうです)関係者を励ましてはと質したところ、「出来るだけ早い時期に行きたい」とのことでした。
 この他、色々な質問をしていますが、次の機会に譲るとして、一つだけ、マイクロチップの導入という一つの質問に、3つの部(農政、保健福祉、環境衛生)が答弁したのには、分担しているとはいえ縦割りというものを強く感じました。

意見交換

明日の本会議での一般質問の内容について、各部と、終日意見交換をしました。今回の質問は、市町村財政・雇用対策の成果・馬文化の継承・獣医師の確保と待遇改善・動物愛護の教育への導入など、多岐に渡っているため、所管の部が多く、多少見解が違うところもあるので、夕方6時頃までかかって、ようやくおおよその目途がつきました。それでも、市町村財政に係わって、産炭地基金の取り崩しなどは、政府側の結論が出ず、明日の朝に繰り越し、その他、修正を求めたものも、今夜中に、と言うことで、明日の朝もう一度ということになったものもありました。
 一般質問は、議員それぞれが、課題を持ちながら、本会議の場で知事や、教育長の考えを質すのですが、私たちのように、政策審議会に属しているものは、時として、代表質問の補充のようなものも質問の中に入ってきます。質問書を整理して、明日のトップでの質問に備えます。