少子化は解決するか

「北海道医報」という北海道医師会の会報があり、その裏表紙に「季節風」というコラムのページがあり、毎号何かしらの示唆のある内容が書かれている。手元にある7月号では、「産み育てる希望が報われる社会へ」と題して、進む少子化に対する思いが述べられている。昨年日本での人口統計が始まってから125年が経って初めて出生数が70万人を割った事態のため、国は「こども庁」を設け、年3.6兆円の予算を取って様々な対策をスタートさせたが、出産する女性への様々な構造的格差が解消して行くにはまだまだ時間がかかり、支援を必要とする当事者の足を止める要因となっている、としている、しかし本当にそれで解決するのだろうか?社会が豊かになり、それぞれがしたいことを出来るようになるにつれて、社会より家族、家族より個々の生活が大事にされることが当たり前となって、自由に生きたいように生きられる世になったことが、家族や子どもというそれを阻害するものを持つことを避けるようになったことが一番の原因ではないだろうか?以前訪れた中国で、案内の通訳女性が、一人っ子政策の中で、一人っ子同士の結婚だと二人まで子どもを作って良いという緩和策が出されたが、自分の子どもは一人で良い、それ以上は煩わしいと言ったことがあったが、ある程度経済的な欲求が満たされるとそれを失いたくないと言うのが正直なところではないだろうか?経済的なことが理由だったら、富裕層には二人ならず3人も4人も子どもがいても不思議ではないけれどそうはなっていないことが何よりの証拠ではないだろうか?この解決はとても難しいことだ。


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