北海道

私の先祖は、山口県から昭和3年(1928年)に現在の中標津町に移住してきたと聞いています。来年は、ちょうど入植80周年にあたります。当時は、第一次大戦後の不況があって、山口県でやっていた金物店が倒産し、新天地を求めて北海道に渡ってきたそうです。そのまた遙か先祖は、京都から落ちのびた公家の家来だったとか、二度目の落ちのびでしょうか。
それはともかくとして、当時の北海道は新天地としての魅力に溢れていたのではないでしょうか。勿論、その自然の厳しさは隠された上での、乏しい情報の中でしたが。内地(本州)では考えられない五町歩という広大な(今ではその10倍でも足りないのですが)土地を与えるという説明に、夢を描いたのでしょう。それでも、何の機械もない中で、一本一本の木を切り、その根を掘り起こして畑を作り、馬鈴薯や、豆やそばを作って家族を養いながら、細々とでもそれを売って厳しい冬も乗り越えてきた人間の強さに思いを至らせられます。
原野から平野へと変わったこの大地を見ながら今の北海道の苦しい状況を考えるとき、もう一度開拓の頃の人のたくましさを見習わなければならないと思うのです。


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