偉大な母親

私の母親(きみ)は小さくて、妹たちの子守や畑仕事の手伝いで小学校もろくに通わせてもらえなかったとよく言っていた。しかし、向学心が高く私が学校に行くようになってからでも書き取りをし漢字を何度も書いて覚えようとしていた。私が大学に入学させてもらって(自分が学校に行きたくとも行かせてもらえなかったから子ども達には、の心から)家に手紙を書いて送ると、間違った漢字を添削して、最高学府の学生がこんな間違いをしたら笑われると返してよこしたものだ。一昨日私の姉が筋側索硬化症という難病で亡くなった。ちょうど母の月命日の22日のことだった。この前の日が父の月命日、更に、母親を早くなくして母のことを親代わりと慕ってきた妹は、その母の四十九日の日に後を追うように亡くなった。決して偶然とは思えない一致ではないだろうか。厳しさと優しさと賢さを併せ持った素晴らしい、偉大な母親だったと思う。その娘だった姉もまたよく似た性格だった。母を中心としてみんなが寄り添っているように思えてしょうがない。


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