ロシアのウクライナ侵攻などで世界の穀物相場が急騰し、私達の酪農にも多大な影響を与える事態になっていて、俄に食糧自給率向上と安全保障が叫ばれるようになっています。ヨーロッパなどではこの様なことは当然のことで、少なくとも必ず１年分の食料備蓄と最大の生産力を維持し、余ったものを補助金をつけた価格でも輸出して生産力を守っています。日本の農政は食糧政策で、どうせ自給できないのだから世界から最も安いものを輸入して食料費を抑え、工業生産物の価格競争力を上げるために、コストの高い食料の減産を誘導してきました。今更それが間違いだと気付いても遅いとは思いますが、少なくとも農地の確保とそこからの生産を最大化する農政を目指さなければと思います。これまでの農政の中でどんどんと離農を進めて来て、生産現場の疲弊を招いている事から脱する長期的政策を立てて実行する事が急務です。