地域産品の輸出

以前から、この地域の優れた農水産物を、もっと付加価値を付けるために輸出を目指すべきとの主張をする人がいました。これまでは、何もしないでも、その素材故にそれなりに売れてきていましたから、遙か遠いことのように感じて乗り気になった人は居ませんでした。昨年暮れからの、オーストラリアとのEPA交渉で、肉・乳製品・小麦・砂糖などの主要農産物の完全自由化が話題になって、その打撃の大きさに道民が驚くようになって、改めて食料の重要さに気付かされるようになりました。このことは、国内農業や、それに関連する産業の衰退の問題だけでなく、国民の自給による食糧確保という問題まで波及する問題だからです。自由化論者は、どうせエネルギーに頼って生産されている農産物だから、それが途絶えた時には食糧の自給など出来ないので、輸入を前提に考えるべきだと言います。生産者の私たちは、それならどこからでも、安いものが入るところからかって食べたらいいと、開き直るべきではないかと思うのです。私たちが汗水流して生産するものを、世界一安いところから買いたいのであれば、私たちはもっと高く買ってくれるところに輸出して生きて行こうと思うのです。そんなに簡単に出来ることではないかも知れませんが、最初は「ただでも」と始めた、「秋鮭」の例を参考に長いスパンで考えて道を開きたいと思っています。


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